広報紙『学園通信』310号(2014年1月8日号)学長メッセージ

Date:2014.01.08 その他

「行学一如」「信誠敬愛」

学長 廣瀬 良弘

駒澤大学 学長 廣瀬 良弘新年おめでとうございます。穏やかな正月をお迎えのことでしょう。年頭にあたり、建学の理念について、考えてみます。本学は禅?仏教の精神に基づいた教育を目指しますが、長きにわたり、「行学一如」という言葉で言い表してきました。戦後だけでも60年です。

その言葉は、永平寺開山の道元禅師の最も代表的な言葉の「修証一等」(「修証一如」とも)に由来します。つまり、悟り(証)というものが、修行の遙か彼方にあるのではなく、坐禅修行(修)を行っているときに具現する。「悟り」は日常の「行」そのものにある。修(行)と証(悟り)は一体である。
その大学バージョンが「行学一如」です。「学」も大事ですが学んだことを実践に移す。あるいは、「学」をアクティヴな行動により自分のものにする、という意味です。

到達点というものは素晴らしいものに相違ありませんが、アクティヴに学んでいる「今」こそが、大切なのです。尊いのです。

本学の校歌には「信誠敬愛」という言葉が詠み込まれ、実践徳目とされてきました。これは忽滑谷快天(ぬかりやかいてん)学長が大正14年(1925)に大学令による大学となった折に、宗立大学から一般大学への脱皮をめざして、作成したものです(関口雅夫「駒澤法学」13)。相互信頼の「信」、誠心誠意の「誠」、相互に尊敬しあうの「敬」、道元禅師の大切な言葉「愛語」の「愛」です。本部棟正面左側のプランタにパンジーが咲いています。花の小さなのをビオラといいます。花言葉は思想?思索?純愛?誠実?信頼です。校歌のような花です。春まで咲くそうです。