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SPECIAL INTERVIEW

監督 大八木 弘明
駒澤大学陸上競技部 監督 大八木 弘明

勝つ事への執着心

各駅伝での熱いご声援いただきましたことを心より感謝申し上げます。
今年度は三大駅伝での「三冠達成」を目標に選手たちは揺るがない信念を持ち、地道な努力を重ねてきました。箱根駅伝では2年ぶりの王座奪還を果たすとともに出雲駅伝、全日本大学駅伝の両駅伝の制覇とあわせて駒澤大学で初となる悲願の「三冠達成」をすることが出来ました。
往路では1区の円(4年)が区間2位で良い流れを作り、2区エースの田澤(4年)が体調不良からの復活が不完全であった中、我慢と粘りの走りでエースの役目を果たしてくれました。その執念の走りが3区篠原(2年)、4区鈴木(3年)に伝播し、トップに立つと5区上りの区間を受け持った山川(1年)が堂々と山を駆け上り後続の中央大学との差を30秒に広げて19年ぶりの往路優勝のテープを切ってくれました。
翌日の復路においても、6区伊藤(1年)は同級生である山川の走りに触発され区間賞の走りで駆け下り2位との差をさらに広げ、さらに7区安原(3年)、8区赤星(3年)と手堅くつなぎ8区が終わった時点で1分05秒と差を広げました。
しかし、予断を許さない状況の中、9区を受け持ったキャプテンの山野(4年)は最初から果敢にせめ、安全圏内へと持ち込み10区アンカーの青柿(3年)へ託すと、終始安定した走りで2位の中央大学と1分42秒の差を広げ、大手町で待ち受ける仲間たちの歓喜の渦の中へ三本の指(三冠)を掲げ駆け込みました。終わってみれば4区からは1度もトップを譲ることなく往路、復路とも優勝し、完全制覇で2年ぶりの総合優勝を果たしたことは、選手たちからいただいた最高のプレゼントであり、私にとって28年間の指導者人生の中で最も感慨深いものとなりました。
大会当日を迎えるにあたり、エース田澤の不安な要素と相まって、全日本で3連覇のテープを切った花尾(3年)の体調不良が続き間に合わなかったことや、出雲、全日本で区間新をたたき出した佐藤(1年)の直前の体調不良による離脱等で区間の采配には大いに悩みましたが、当日は各区間に配置した選手たちを信じて送り出すことができました。この結果は、走った選手はもちろんのこと、控えに回った選手をはじめとした部員たち、支えてくれたスタッフたちが一体となり「勝つ事への執着心」を最後まで失わず、その一体感が他のどの強豪大学よりも上回ったからこそ勝ち得たものだと思います。
来年度からは総監督に就任し、世界を目指す選手の指導と後進の指導者の育成などに力を注ぎ活動してまいります。
引き続き藤田新監督率いるチームともども、相変わりませぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。