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薬物乱用防止について

薬物乱用とは

大麻や覚醒剤等、違法な薬物の所持?使用は法律によって厳しく取り締まられており、決められたルールを守らずに薬物を使用することを薬物乱用といいます。

薬物乱用は皆さんの心身の健康を害し、社会的制裁によって人生が台無しになりかねません。一回でも乱用してはいけないという意識を常に持ち、絶対に手を出してはいけません。

薬物乱用の影響

薬物の乱用は脳をはじめ、心身に様々な影響をもたらします。主に下記のようなものがあります。

脳への影響

「喜び?快感?動機付け?運動機能」に関係するホルモンの「ドーパミン」を強制的に分泌させられ、脳の回路に変化が起こります。そのため感情のコントロールが阻害されることで社会に適応できなくなったり、幻覚や妄想による反社会的行動をとってしまうことがあります。

身体への影響

運動機能が低下し、思ったように体が動かなくなるほか、脳から内臓器官へ正確な指令が出せなくないことで正常に機能しなくなり、急性中毒死してしまうこともあります。

社会への影響

薬物を乱用し続けると、精神障害や依存症を発症する原因になります。薬物を手に入れることを何よりも優先するようになり重大な事件事故を引き起こしたり、社会秩序の破壊に繋がります。さらに、犯罪により逮捕されると、家族や友人を傷つけ、身近な大切な人の人生を壊してしまうかもしれません。

耐性と依存

薬物をくり返し使用することによって、最初は効果があった薬物が効かなくなり、同じ効果を得るために使用量を増やさなければならない現象を「耐性」といいます。

耐性がつくことで摂取量や使用回数が増え、不快感や苦痛から逃れるためにさらに乱用を繰り返しやめたくてもやめられない、「依存」状態に陥ります。依存から回復するためには長い年月がかかります。

フラッシュバック

ひとたび幻覚?妄想などの精神症状が生じると、治療によって表面上は回復しているように見えても、再び起こりやすくなる下地が残っています。ささいなストレスや疲労、飲酒などによって突然、幻覚?妄想などが再燃することがあります。これをフラッシュバック(再燃)現象といいます。

薬物についての基礎知識

1.大麻

大麻草という植物由来の薬物で、含まれる成分:THC(テトラヒドロカンナビノール)が脳に作用し、知覚の変化?短期記憶障害?運動失調?判断力の低下?精神障害をひきおこします。吸入するだけでなく、大麻から成分を抽出した「大麻リキッド」や「大麻ワックス」など新しいタイプの加工品や、海外でお土産として売られているチョコレートやクッキー、キャンディ等の中に大麻が含まれていることがあります。誤って口にして体調不良で救急搬送された事例も発生しています。

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(大麻/厚生労働省パンフレットより
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(大麻クッキー/厚生労働省パンフレットより
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(大麻リキッド/厚生労働省パンフレットより)

大麻について「海外では合法な国があるから安全だ」という主張を耳にすることがあるかもしれません。法律や規則はそれぞれの国の事情や背景を基に作られており大麻の所持や使用が犯罪ならない国や地域であっても、大麻の有害性の影響を大きく受ける未成年の使用や所持は禁じられているなど厳重に取り扱われています。また軽い気持ちで大麻に手を出したら覚醒剤などの薬物にまで手を出していた、ということにもなりかねません。インターネット等に氾濫している間違った噂や情報に流されないようにしましょう。

2. 覚醒剤

覚醒剤.jpg化学合成された精神刺激薬です。脳や神経を興奮させる作用があり、眠気や疲労感がなくなりますが、一時的なものであり効果が切れると激しい脱力感や倦怠感に襲われます。

また、幻覚や妄想が現れて中毒精神病になりやすく、強い耐性?依存のため死に至ることもあります。さらに、乱用をやめてもフラッシュバック(再燃)に苦しむことになります。

(覚醒剤/厚生労働省パンフレットより)

3. 麻薬(MDMA、コカイン、LSD)

MDMAやLSD等の合成麻薬、コカインはいずれも麻薬及び向精神薬取締法で規制されている薬物です。神経を興奮させる作用があり幻覚症状や精神錯乱や異常興奮になることもあります。体温調節機能に作用するMDMAは高体温により臓器の機能不全を起こすことがあります。

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(MDMA/厚生労働省パンフレットより
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(コカイン/厚生労働省パンフレットより
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(LSD/厚生労働省パンフレットより)

4.危険ドラッグ

危険ドラッグ.jpg麻薬や覚醒剤などの化学構造を一部変更して法の網をくぐり抜ていますが、有害で危険な物質を使用しており「合法」でも「安全」でもありません。

ハーブ?バスソルト?アロマオイルなどの謳い文句で販売されていますが、身体にどのような影響を及ぼすかわからない危険なものがほとんどです。乱用による健康被害だけでなく、傷害事件や交通事故等で他人を巻き込む事例もあります。

(危険ドラッグ/厚生労働省パンフレットより)

4.医薬品

薬局で購入できる風邪薬や咳止め薬が乱用目的で使用されることがあります。アルコールなど他の種類の薬物と一緒に摂取すると中枢神経や心臓に障害を引き起こし大変危険です。

また処方箋で指定された以上の用量を服用したり、他人の処方薬を服用したり、治療ではなく高揚感を得るために服用するといった場合も薬物乱用となり健康被害を引き起こす可能性があります。

5.海外の事情と海外旅行での注意

海外で違法薬物に関わることは深刻な事態を招くことになります。違法な薬物の利用?所持?運搬に対して、海外では日本よりも重い刑罰を科す国が多く存在します。逮捕?拘束された場合、日本国大使館や総領事館による面会等が行われますが、その国の司法手続きに従うことになり釈放や減刑の要求はできません。

また、麻薬組織は常に「運び屋」になりそうな人を探しています。金銭的な報酬だけではなく、恋愛感情や力関係を利用してくることもあります。素性のよくわからない人や親交の浅い人から無料の海外旅行、謝礼金付きで荷物を預かったり届けたりするよう持ちかけられても絶対に引き受けてはいけません。

大切な自分を守るために

薬物乱用者の多くは人から勧められたことがきっかけです。しかし軽い気持ちで手を出すと、いつの間にか薬物から抜け出せなくなってしまいます。最近は薬物の入手や運搬の方法としてインターネットやSNSが悪用されていますが、売人と関わることは多くの危険を伴います。薬物乱用の誘惑に対しては、きっぱりと断る勇気と強い態度で臨みましょう。

  誰かからの誘惑だけでなく、自分自身の好奇心にも打ち勝つために

 *あなたの好きなこと、やりたいこと、嬉しかったことなど、自分の気持ちに向き合ってみましょう

 *あなたの大切な人、あなたを大切に思ってくれる人の未来や幸せを考えてみましょう

 *薬物の正しい情報を、正しい情報源から身につけましょう

相談窓口?薬物に関する情報(リンク)

薬物について悩みや疑問を感じた時は、周囲の信頼できる人や専門家に相談しましょう。各都道府県には、秘密厳守で相談に乗ってくれる窓口が設置されています。

薬物に関する相談窓口一覧 (厚生労働省ホームページ)

あなたは一人じゃない (内閣官房 孤独?孤立対策担当室)

厚労省パンフレット (厚労省作成パンフレット)

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